その前に、そもそもMVNOとは?
MVNOは、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。何やら難しそうですが、携帯電話などの無線通信インフラ(ケータイやスマホに電波を送るための基盤のこと)を他社から借り受けてサービスを提供する事業者のことなんです。2001年秋に日本で初めてのMVNOが登場して以来、今ではたくさんの事業者がMVNOとして、いろんなサービスを提供しているんです。
OCN プロバイダ(インターネット接続)より
つまり、ドコモやauやソフトバンクで回線契約時に端末を一緒に購入するのではなく、端末は自分で用意して電話等をする為のSIMカードのみ格安で利用する事の出来るサービスです。これをうまく利用する事により、毎月の通信費を大幅に抑えたり、様々なメリットが生まれます。
それではここから本題に入りましょう!
まずは2年間の総費用を単純に比較
キャリア契約の拘束期間が2年間であることから2年間の総費用をまずは比較します。
今回前提とした条件は下記の通りです。
- 端末はiPhone6 16GB
- すでに電話番号を持っておりキャリア契約は機種変更の扱いとなる
- 通話はLINEやSkypeを基本的に利用すると想定
- 通話時間は月間5分、データ通信料は1日100Mの月間3Gを利用
- 契約時の各種手数料等は加味しない
この想定した条件に該当するプランとして
- キャリア契約はauのカケホとデジラ+データ定額
- 格安SIMはOCNモバイルONEの110M/1日コース+音声対応SIMプラン
としました。auを選択した理由としては月間3Gのプランにauしか対応していなかった為となります。
また今回、中古SIMフリーiPhone6 16GBは8万円を想定していますが、時期や状態により値段は大きく変わります。
比較結果
キャリア契約+端末同時購入
通信費用 月額 | 7,776円 |
---|---|
通信費用 2年間 | 186,624円 |
端末代金(実質) | 14,520円 |
総計 | 201,144円 |
キャリア契約では、端末の同時購入により端末代金の一部が通信費用から割り引かれ、実質負担額が安くなるのが特長です。
格安SIM+アップルストアで購入したSIMフリーiPhone
通信費用 月額 | 1,928円 |
---|---|
通信費用 2年間 | 46,272円 |
端末代金(税込) | 93,744円 |
総計 | 140,016円 |
SIMフリーiPhoneをアップルストアで購入してMVNOを利用した場合、キャリア契約よりもかなりコストを抑える事が可能となります。
格安SIM+中古SIMフリーiPhone
通信費用 月額 | 1,928円 |
---|---|
通信費用 2年間 | 46,272円 |
端末代金(税込) | 80,000円 |
総計 | 126,272円 |
今回、中古SIMフリーiPhone6 16GBを8万円として設定していますが、(2015年7月16日時点で)8万円であれば中古といっても、ほぼ新品同様品が購入出来る値段です。又、とにかく安くという方は、多少使用感や傷がある状態のもの、又は以前のモデルであれば更に安く購入する事が可能です。
MVNO契約では、端末さえ手に入れば毎月の通信費はかなり安く抑えることができる点が特長です。
2年間総額の差額は以下の通りです。
2年間総額コスト | キャリア契約との差額 | |
---|---|---|
キャリア契約+端末同時購入 | 201,144円 |  ̄ |
格安SIM+アップルストア | 140,016円 | 61,128円安い! |
格安SIM+中古SIMフリー | 126,272円 | 74,872円安い! |
差額としては通信キャリアが201,144円、格安SIM+中古iPhoneが126,272円と74,872円の差が付きました。それだけでちょっと贅沢な旅行に行けるほどの費用差ですが、多少の傷があっても構わないという方は、安い中古SIMフリーiPhoneを探せば更に大きな差がつきます。
単純な通信費の比較だけでもここまで差が付きましたが、格安SIM+中古SIMフリーiPhoneのメリット実はこれだけでなく、さらに良いことがあります。
通信事業者をまたぐ柔軟なプラン選択
通信キャリアでの契約は基本的に2年契約となり、その中で端末を解約すると高額の違約金(各社およそ10,000円)が発生し、さらに大きなメリットであった端末の購入補助にあたる毎月の割引がなくなります。
特に端末の購入補助にあたる毎月の割引に関しては、上記のケースですと月間2,410円になりますので、例えば1年で解約や機種変更を行ってしまうと、端末の実質負担額は28,920円増えてしまうことになり、実質契約更新まではやめられない契約となります。
また、回線の2年契約は各社とも契約満了後は2年間の自動更新になりますので、違約金無しにやめる為には2年に1回だけ来る更新月に解約するしかない、という非常に厳しい契約条件となっています。
それに比べMVNOの格安SIMに関しては、基本的にどこの企業も長期契約はなく、いつでもやめることができます(音声付きプランの場合半年などが付く場合もありますが、その場合も自動更新などではありません)。
そして、このやめやすさに中古SIMフリーiPhoneが合わさると、MVNO各社が用意している様々な料金プランを、業者を跨ぎ柔軟に選択出来るというメリットが生まれます。
例えば単純にデータのみ使えるSIMで良ければぐっと値段は安くなりますし、データ契約ひとつとっても、OCNは月間データ量ではなく1日110Mというプランを用意し、ビックカメラのSIMはPCでも使える公衆無線LANのアカウントが無料でついてきます。
このような、より自分にあった良い条件が他社から出てきた場合には、極端な話、容易に乗り換えることが出来るのです。
特に今は各社MVNOの競争状態は加速している状況と言えます。新たにキャリアで購入すると2年は動かせないことを考えると、常に良いプランに切り替えをしていける格安SIM+中古SIMフリーiPhoneの方が有利と考えられますね。
またこの柔軟なプラン選択はさらなる費用削減の可能性も秘めいています。次の項目でそちらを説明します。
さらなる削減の可能性
キャリア契約では「一番安いプラン」でもそれなりに高いですが、格安SIMの場合は一番安いプラン、であれば月間3Gのデータ通信量だと約900円で毎月利用することが出来ます。通信速度が遅くてもいい、という方はDMM mobileより440円、というプランまで出てきています。
それで充分、という方であれば毎月の通信費用はキャリア契約と比べると、より圧倒的な差で得になります。
これを利用し、ガラケーと2台持ちをする方も増えているようですね。
もう一度得をする買い取り
ここまでで、格安SIM+中古SIMフリーiPhoneのメリットを充分ご理解頂けたかと思いますが、最後に1つまだ得になるポイントがあります。
それは利用後の買い取りです。
キャリアで購入した端末とSIMフリーの端末では買い取り価格に大きな差が出ます。理由としてはもちろん、SIMフリーiPhoneは利用可能な用途が広い為です。
利用後の端末は少しでも高く売却したいものですが、国内キャリア版iPhoneとSIMフリーiPhoneの買取価格を比較してみると、圧倒的にSIMフリーiPhoneの方が買取価格が高額です。理由としては、国内キャリア版のiPhoneの場合、ドコモで契約したiPhoneならドコモのSIMでしか使えません。もちろん、au・ソフトバンクも同様に、キャリアのSIMロックが掛かっている為、SIMロック解除をしない限りは、それぞれ最初に契約したキャリアのSIMカードでしか使えません。
ですが、SIMフリーiPhoneは、最初からそのようなSIMロックが掛かっていない為、国内外問わずSIMカードの入れ替えだけで3G(4G)回線が容易に使用出来る為、利用可能な用途が広く買取価格も高額となっています。
実際に当店の場合も、中古iPhone6の買取価格(2015年7月16日時点)はSIMフリー版が国内キャリア版に比べて3万円近く高額でお買取が出来ています。
iPhone6買取価格 | アイフォンプラザ
ですので、利用後には買取店で売却をする事により、売却の時点で現金を手にする事が出来るという大きなメリットもあります。
キャリアでは買取ではなく下取りプログラムを実施していますが、買取と下取りとでは仕組みそのものが大きく違います。その点については「ドコモ・au・ソフトバンクの下取りと買取の違い」で詳しく紹介していますので、是非目を通してみて下さい。
さて、それでは次に中古のSIMフリーiPhoneの購入についてです。
中古のSIMフリーiPhoneの購入について
- 中古のSIMフリーiPhoneはどこで買えるの?
中古携帯ショップやネットオークション、通販サイト等、様々な購入方法があります。- 購入時の注意点は?
- まず、初期不良等に関しての返品対応に関してよく確認をしてから購入をしましょう。
とくに、ネットオークションでの購入の場合は注意が必要です。
ネットオークションの場合、iPhoneに限っての事ではないですが、出品者と落札者の間でのトラブルが多いので、出品者情報や返品などに関して事前によく確認してから購入して下さい。 - メリット・デメリットは?
- 中古iPhoneのメリットは何と言っても安さですが、中古ですのでデメリットもあります。
例えば、以前の所有者がアップル非正規修理店で修理をしていたり、手元に届いた時点で何らかの不具合があったり、そのような可能性がある事は頭に入れておかなくてはいけません。
ですので、必ず購入前に、返品保証に関しては十分に確認をしておく必要があります。 - MVNOでLINEは使える?
ですので、中古iPhoneは出来れば実店舗の存在するショップで購入する事をお勧めします。ネットオークションでの購入も否定はしませんが、いくら安いからと言っても、何か問題があった場合の返品対応に不安がある場合は購入を控えた方が良いかと思います。
又、中古端末そのものに不安があるという方は、アップルストアで端末を購入する事をお勧め致します。中古端末よりは多少高い買い物にはなりますが、それでもキャリアで契約するよりかは大分安くなりますね。
最後に
通信費は毎月掛かるものですので、少しでも安く抑えておきたいですね。
キャリアでの契約は、端末代金実質0円、更に下取りします等と聞くと一見お得な感じがしますが、電話をそれほど掛けないという方には非常に不利な契約内容になっています。LINEやSkypeの利用頻度が増えてきていて、電話の使用頻度が減ってきていると感じている場合、一度SIMフリー+MVNOへの切り替えを検討してみては如何でしょうか?
キャリアのショップに出向けば、確かに自分で何もする必要が無く、至れり尽くせりで設定から何から全て済ませてくれますが、ほんの少し自分で調べてみようという気になれば、iPhoneに関する情報、MVNOに関する情報、毎月の通信費節約に関する情報等が、ネット上にも沢山出てきます。
是非、ご自身にとって不利な条件の契約をしてしまわないように、一度よく調べてみる事をお勧めします。
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